胃カメラ検査

胃カメラ検査とは

口から肛門までの消化管の中で、食道~胃~十二指腸までを上部消化管といいます。
これを内視鏡という先端にカメラの付いたビデオスコープで観察する検査が通称「胃カメラ」と呼ばれる上部消化管内視鏡検査です。

経鼻と経口について

胃カメラには鼻から入れる経鼻内視鏡と、口から入れる経口内視鏡の二種類があり、それぞれに利点と欠点があります。

【イラスト】口からの胃カメラ・鼻からの胃カメライメージ

経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)

外径が5-6mmと細く、嘔吐感や挿入時のつらさが軽い利点があります。
当院ではオリンパス社製の新しい極細ハイビジョン経鼻スコープ「GIF-1200N」を使用しています。経口内視鏡と比較しても画質の面ではほとんど遜色なく、明るく鮮明な写真を撮影することができます。

ただ、敏感な鼻の穴を通るため、痛みや鼻出血を伴うことがあり、鼻腔が狭く内視鏡が挿入できないこともあります。
また、のどの麻酔に加えて鼻の麻酔が必要なため局所麻酔薬の使用量が増える点や、粘液などを吸うための吸引口が細いため、胃の洗浄に時間がかかるといったデメリットもあります。

経鼻内視鏡がおすすめの方

  • 胃カメラが初めての方
  • 不安の強い方
  • 嘔吐反射の強い方
  • 経口の胃カメラできつい経験をされた方
  • 胃がん検診 など

経口内視鏡(口からの胃カメラ)

外径が8-9mmとやや太く、慣れるまでは飲み込みづらさがありますが、鎮静剤を使用することで嘔吐反射を軽減することができます。また、細い経鼻用の内視鏡を口から挿入することもできます。

当院では、オリンパス社製のデュアルフォーカス機能搭載経口スコープ「GIF-HQ290」を使用しています。画質が鮮明で操作性に優れ、病変に近接して拡大観察をすることもできます。
また、経鼻内視鏡と比較し粘液などを吸うための吸引口が大きいため胃の洗浄が短時間で済み、のどの麻酔のみで検査が可能なため、局所麻酔薬の量を最小限にすることができます。
また、鉗子口から処置具を挿入し、異物の除去やクリップ止血術、ポリープ切除などの処置も可能です。

経口内視鏡がおすすめの方

  • 鎮静剤をご希望の方
  • 経口の胃カメラに慣れている方
  • 鼻腔の狭い方
  • 食道や胃の精密検査が必要な方
  • 胃がんや食道がんの手術歴がある方
  • 処置が必要な方 など

当院の胃カメラ検査

当院では、たとえ小さな病変であっても絶対に見落とすことのないよう、胃内をウォータージェットできれいに洗浄したのち、胃がん検診のマニュアルに沿って上部消化管を網羅的に撮影し、AIによる画像評価で撮影精度のチェックを行い、日本消化器内視鏡学会の提唱するJED Projectで定義された様式で患者様お一人お一人に詳細なレポートを作成し、分かり易く丁寧なご説明を心がけています。
また鮮明な画像を得るために内視鏡はオリンパス社製の新しい機器を導入し、患者様に気持ち良く検査を受けていただけるよう、マウスピースなど身体に触れる備品は1回限りの使い捨て(ディスポーザブル)にこだわり、厳しいガイドラインに基づいた方法で内視鏡を洗浄し、万全の感染症対策を実施しています。

胃透視との比較

胃の他の検査法としては、バリウムなどの造影剤を用いた上部消化管X 線検査(胃透視)があります。
胃の全体像を把握できる点では優れていますが、被ばくの問題や、胃のぜん動などの影響を受けやすく、また、凹凸のない平坦な病変は写らないため、X線検査は小さな早期がんなどはみつけられないことも多く、異常所見を認めた場合にも組織検査を行うことができません。
精密で確かな診断のためには、内視鏡検査が最も推奨される検査です。

胃カメラ検査で分かる病気

  • 胃炎
  • 胃潰瘍
  • 胃ポリープ
  • 胃がん
  • 胃粘膜下腫瘍
  • 逆流性食道炎
  • バレット食道
  • 食道裂孔ヘルニア
  • 食道がん
  • 十二指腸潰瘍
  • 十二指腸ポリープ
  • 十二指腸憩室
  • 十二指腸乳頭部腫瘍など

胃カメラ検査の流れ

※予約メニューから「胃カメラ」を選択し、カレンダーから日時をお選びください。

STEP.1 検査前日

夕食について

  • 検査の12時間前より絶食となります。
  • 夕食はできるだけ早い時間にお摂りください。
  • 水やお茶は自由に摂っていただいて構いません。

STEP.2 検査当日

朝食とお薬について

  • 朝食は絶食です。
  • 水やお茶は自由に摂っていただいて構いません。
  • 朝のお薬がある方は、検査の後に服用してください。
  • 朝にインスリン注射のある方は、検査の後に注射してください。

検査前の診察の際に、経鼻・経口のご希望と、鎮静剤のご希望を確認いたします。

経鼻内視鏡

  • 内視鏡が直径5.8mmと細く、飲み込みづらさや嘔吐反射が少ないメリットがあります。
  • 胃カメラ初めての方や、過去の胃カメラ検査でつらい経験をされた方におすすめします。
  • 敏感な鼻の中をカメラが通るため、痛みや鼻出血が起きることがあります。

経口内視鏡

  • 従来からある口から挿入する胃カメラ検査です。
  • がん等が疑われる病変に近接して拡大観察することで、微細な血管や腺管の構造に異常がないかを詳細に調べることができます。
  • 経口の検査になれている方や、精密検査が必要な方におすすめします。
  • 口から胃カメラを飲み込みづらい方は、ご希望に応じて鎮静剤を使用することもできます(※鎮静剤使用日の運転はお控えください)。

STEP.3 検査

胃カメラ検査

  • 胃の中の泡をおさえる薬を飲みます。
  • 麻酔薬をのどに溜め1分後にゆっくりと飲み込みます。
  • 経鼻の場合は、鼻の通りを良くする薬を噴霧し、麻酔薬のついたスティックを鼻から挿入します。
  • 経口の場合は、口にマウスピースをくわえます。
  • ベッドの上で、左半身を下にして横向きになります。
  • 鎮静剤をご希望の場合はモニターを装着したのち腕の静脈から薬を投与します。
  • カメラを鼻または口から挿入し、空気で膨らませます。
  • 食道~胃~十二指腸までをすみずみまで観察します。
  • 病変がある場合は、組織を採取し病理検査を行うことがあります。

(所要時間:10分程度)

STEP.4 結果の説明

  • 医師が検査レポートを作成し、モニターで撮影した画像をお見せしながら結果をご説明します。
  • 鎮静剤をご使用された方は30分~1時間程度ベッドでお休みいただいたあとに結果の説明を行います。

検査費用

保険診療

自覚症状のある方、胃バリウム検査で異常を指摘され精密検査をすすめられた方

観察のみ約4,000~5,000円
+生検、病理組織診断+約4,000~8,000円
+ピロリ菌検査+約700円
合計約4,000~14,000円

(※3割負担の場合)

胃がん内視鏡検診

北九州市内にお住まいの50歳以上の方(胃薬を服用していない方)は 2年に1度、1,000円で胃カメラ検査を受けることができます。対象の方は、ぜひ胃がん内視鏡検診をご利用ください。

自由診療(胃ドック)

自覚症状のない方で、食道がん・胃がんなどの予防を目的とした胃カメラ検査をご希望の方

定額12,000円