大腸カメラ検査

大腸カメラとは

口から肛門までの消化管の中で、結腸~直腸までを大腸といいます。結腸はさらに「盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸」の5つに分けられ、直腸は「直腸S状部、上部直腸、下部直腸」の3つに分けられます。
結腸で便の中に含まれる水分や塩類を吸収して固形の便を形成し、直腸に便が貯まると便意が誘発され、腸や腹筋の収縮と同時に肛門の括約筋が開き糞便が外に排出されます。
これを内視鏡で観察する検査が通称「大腸カメラ」と呼ばれる大腸内視鏡検査です。

大腸がんの予防

がんで死亡した人の中で男女ともに上位を占める「大腸がん」。
最近のがん統計によると男性の約10人に1人、女性の約12人に1人が一生のうちに大腸がんと診断されています。
大腸がんは、進行するまでほとんど自覚症状がないため発見が遅れがちですが、検便や大腸カメラ検査などを定期的に受け、良性のポリープのうちに切除をすることで予防のできる病気です。
大腸がんは35歳ころから徐々に増え始め、50歳頃から急激に増加する傾向があります。
大腸がんを未然に予防するためにも、40歳を過ぎたら定期的に検便や大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。

一次検診から二次検診まで

40歳以上の市民の方は1年度に1回、500円または無料で便潜血反応による大腸がん検診(一次検診)を受けることができます。
陽性反応の出た方は大腸がんの疑いがあるため、大腸カメラ検査(二次検診)が必要となりますが、当院は大腸がん精密検査の実施登録医療機関ですので、一次検診から二次検診まで、すべての検査を自院で完結することができます。
大腸がんの予防と早期発見のため、ぜひ大腸がん検診をご活用ください。

大腸カメラ検査で分かる病気

  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 大腸憩室
  • 痔核
  • 感染性腸炎
  • 虚血性大腸炎
  • クローン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 粘膜下腫瘍など

当院の大腸カメラ検査

大腸カメラ検査は、「恥ずかしい」「痛い」「お腹が張って苦しい」といったマイナスイメージから敬遠されがちな検査ですが、大腸がんの原因を根本的に取り除くことのできる唯一の検査です。

当院では患者様の抱える不安や検査の苦痛が少しでも軽くなるよう、鎮静剤を積極的に使用し、送気の際にはお腹の張りの少ない炭酸ガスを使用しています。
内視鏡は細径ながら高画質・広視野角での観察が可能なオリンパス社製の「PCF-H290Z」を使用し、挿入にあたっては、できるだけ腸管を伸ばさない「軸保持短縮法」という方法で挿入を行っています。
また、検査中にポリープが見つかった場合は内視鏡のズーム機能で病変の表面を拡大し、NBIという特殊な波長の光で観察することで将来的に癌化する危険性が有るポリープか否かを瞬時に鑑別し、不要な生検や治療を避けるよう心がけ、ポリープの切除が必要な場合は、新しい「コールドポリペクトミー」という治療法で安全に切除を行っています。
また、ポリープの切除が必要な場合は、新しい「コールドポリペクトミー」という治療法で切除を行います。

検査時間

検査時間
14:00〜×××

大腸カメラの流れ(大腸内視鏡検査)

STEP.1 検査前日

前日の食事について

  • 検査の前日(便秘の方は前々日)の朝より、消化の良い食事を摂ってください。
  • 前日の夕食は、遅くとも夜9時までに終えるようにしてください。
    繊維質な野菜や果物、きのこ、海藻、揚げ物、納豆、雑穀米など、消化の悪い食事は避けてください。
  • 夕食後から検査までは絶食となりますが、水やお茶は自由に摂っていただいて構いません。

下剤の内服について

  • 眠前に大腸のぜん動を促す下剤を内服します。
  • 高度の便秘症の方は、検査の数日前より下剤を追加することがあります。

STEP.2 検査当日

朝食と昼食、お薬について

  • 検査が終わるまでは絶食です。朝食・昼食は摂らないでください。
  • 水やお茶は自由に摂っていただいて結構です。
  • 糖尿病治療薬やインスリンなど血糖を下げるお薬は検査終了まで内服・注射しないでください。
  • 糖尿病以外のお薬は、普段どおりに内服していただいて結構です。

腸管洗浄液の服用について

  • 腸管洗浄液の袋に水を入れて2Lとし、10~15分にコップ1杯のペースでゆっくりと服用します。
  • 腸管洗浄剤を2杯服用するたびに、水またはお茶を1杯飲み、便が透明になるまでこれを繰り返します。
  • 便のカスが消え、ほぼ透明になれば検査が可能です。
    検査開始の10分前を目安に来院してください。

STEP.3 検査

事前の診察と準備

  • 検査が可能な状態であることを確認後、更衣室で検査着に着替えます。
  • 検査台に横になり、ご希望のある方へ腕の静脈から鎮静剤の注射をします。
  • 腸の動きを抑える鎮痙剤を肩の筋肉へ注射し、検査スタートです。

大腸内視鏡検査

  • 肛門の内側に局所麻酔のゼリーを塗り、内視鏡を挿入します。
  • 大腸の最深部まで挿入したあと、炭酸ガスで腸管を膨らませ、観察を行います。
  • ポリープなど病変がある場合は、必要に応じて組織の採取や切除を行います。
  • 検査時間は体型やポリープの数によって大きく異なりますが、概ね15~40分程度です。

STEP.4 結果の説明

  • 医師が検査レポートを作成し、モニターで撮影した画像をお見せしながら結果をご説明します。
  • 鎮静剤をご使用された方は30分~1時間程度ベッドでお休みいただいたあとに結果の説明を行います。

検査費用

保険診療

自覚症状のある方、大腸がん検診(便潜血反応検査)で陽性反応の出た方

下剤や腸管洗浄液等の事前処方にかかる料金約1,200円
観察のみ約5,000円
+生検、病理組織診断+約4,000~12,000円
合計約6,200~18,200円

(※3割負担の場合)

自由診療(大腸ドック)

自覚症状のない方で、大腸がんなどの予防を目的とした大腸カメラ検査をご希望の方

定額20,000円
  • ポリープ切除術など治療が必要な際は、医師の判断で保険診療に切り替えることがあります。
    (大腸ポリープ切除術は、3割負担で約18,000~25,000円となります。)